世界を旅するカカオ紀行 カカオ70%以上のチョコ

もともと弊社工場はフルーツを活かしたお菓子・加工品の製造を発端としています。ですので加工場の中は一次・二次洗浄場、調理台、ガスレンジ、冷蔵庫、乾燥機等を詰め込んでいて、カカオからチョコレートを作り出す機器の余裕がありませんでした。それでもチョコレート菓子が作りたい!と思ったので、カカオマスとココアバターを混ぜることから始まりました。

 カカオからチョコレートができるまでのたくさんの工程の中で、完成品のカカオマスとココアバターを混ぜてテンパリングする作業は、最後のほんの一部の作業でしかありません。クーベルチュールのチョコレートタブレットも、菓子職人の作業の手間暇を抑え効率をあげるために作られた、という文を読んだことがあります。この意味では、専用の機械を持っていなくても、誰でもチョコレートを扱えるようになった革新的な商品とも言えます。ココアパウダーもその一つ、今の暮らしには欠かせない必須アイテムです。

 逆にいうと、このテンパリング時点で使うカカオマス・ココアバターは、各メーカーが産地から厳選してきたカカオの風味を引き出したものでもあります。世界各国の農園で育った毎年違うカカオの今年の出来具合・発酵度合を味わいながら、その魅力を引き出す焙煎が行われます。ここでの熱処理で乾燥・殺菌と共に不要な殻を外しやすくするのですが、コーヒー豆と同様に、浅い焙煎での香味やら深い焙煎での苦味やら工夫されることで、だんだんとチョコレートの味が決まっていきます。ここから出来たカカオニブを粉砕してカカオマスにしたり、そしてさらに油脂成分のココアバターが抽出されてきます。ここに書いただけでも、カカオからチョコレートができる工程があり、書いていないさらに長い工程が残されています。それだけの工程を踏まえて、様々なメーカーが、世界中のカカオ豆の特徴を引き出すカカオマス・ココアバターを製造しています。

 そんな世界のカカオ産地×チョコレートメーカーが作り出したカカオマスとココアバターは、組み合わせるだけでも千差万別の風味が出てきます。配合によって、カカオ感の出方も異なるので、季節によって出し方を変える工夫も模索しています。今回2025年冬バージョンとして、ガーナ、マダガスカル、コロンビア、ペルーを組み合わせた四種類のチョコレートを製造しました。それぞれが持っている木の実、焼いた穀物、花、木肌のような独特の風味を強く感じられるように作りました。また召し上がるお一人お一人によって感覚が異なるので、違う風味を感じられることもあると思います。

 ぜひ皆様の気に入っていただける風味を見つけていただけましたら幸いです。

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